東日本は涼しそうなのに、
筆者の居る西日本は、未だ晩夏の秋雨前線を引きずったような
蒸し暑い日々が続いてます…東の方うらやましい…

まあこの雨が過ぎたら、待ちに待った秋本番。
ようやく涼しく過ごしやすい季節がやって来るでぇ…!

と、今回はこんな前置きですが、
秋らしい、冷やしておろしたアレ…の紹介ではなく。

先日、友人から「色々と面白いお酒なので、是非飲んで欲しい」
と勧められ、宅配までしてもらった日本酒を紹介。


福和蔵 純米酒


三重県の県庁所在地、津市に本社を構える、井村屋株式会社さんの手掛ける…


…ん?井村屋…!?


そう、あの「あずきバー」でおなじみの井村屋さんです。
偶然名前が被った蔵元さんではございませんw
銘の読み方は「ふくわぐら」。


20211009_160611


こちらがその外観。思っていたよりも「らしい」日本酒じゃないか…
原料米も、三重県産五百万石を100%使用、と本格的。

ラベルに描かれた文様は、日本酒の原料である米=※と、
井村屋の「井」を組み合わせたデザインなのだとか。


「ベビースターラーメン」でお馴染みのおやつカンパニーさんや、
「おにぎりせんべい」で知られるマスヤさんも、発祥は三重県。
井村屋さんもその三重発祥の会社の1つだったのだが、
まさか日本酒に手を出していたとは…


ちなみにこのお酒、県内であればどこでも買える…という訳ではなく、
津市より南の松阪市、その更に南方に位置する多気郡という所にある、
商業リゾート施設「VISON(ヴィソン)」内の、銘柄と同じ名前を冠した蔵にて
生産されており、基本的にはそこでしか買えないのだとか。
(しかし通販サイトは有り。詳細は後述。)

同施設は今年の夏にオープンしたばかり。
故にこのお酒も、まだ世に出て間もない、ということなのである。

福和蔵の他にも、様々な施設があり、宿泊なども出来たりするようなので、
コロナ禍が明けたら、三重の中心街から離れているとはいえ、
一度は訪れてみたいものだ。


さて、前置きはこの辺にして。
生産が製菓メーカー、リリースされたばかり…と、
若干「どうなの?」と感じる諸氏も多いかも知れませんが、
ここは筆者、友人のお勧めということで信じて飲んでみた。
以下、その感想を…


まずは冷酒から。

香りはやや控えめ。
スイカ、青リンゴをイメージさせる、すっきり清涼で、
五百万石らしく、ライトな印象の香りに仕上がっている。

一口飲むと、香りの控えめさとは対照的に、味は純米酒らしく濃厚。
まるで山田錦や雄町を連想させるほどの旨味の強さ、
その中に、メロンを思わせるさっぱりとした甘味が乗る。
濃い味だが飲み飽きせず、舌触りも柔らかい印象。
飲んだ後にも、メロンのフルーティーな香気が口の中で香り続け、これもまた良し。


続いて燗に。

加温すると、メロン・マスカットを思わせる、清涼だが、
冷酒に比べやや甘さが増した香りに変化。
純米酒というより、純米大吟醸に近い香りに感じられ、
燗をつけてこのような香りに変化するパターンのお酒も珍しいかも?

するりと入る口当たりで、飲み易いお酒といった印象。
飲み始めは、吟醸酒のような、メロンテイストの優しい甘味が中心だが、
しばらくして中盤頃には、米の旨味や、フルーティーさを伴う酸味なども
じわじわと感じられるようになり、純米酒らしいしっかりとした味わいを堪能できる。
余韻には、冷酒と同じくメロン系の吟醸香が後を引いて、これまた心地よい。


冷酒でも燗でも美味しく楽しめる、「香るお酒」という印象。
さすが我が友人、彼の目に狂いは無かった…!
製菓メーカーの多角経営の産物と侮るなかれ、これは「本物」だ…
ということで一度は飲んで頂きたい逸品。

大手通販サイトや、下記の公式オンラインショップで手に入れるのが
一番手っ取り早いかも?
https://fukuwagura-shop.com/


味:★★★★(冷やしても燗でも。しっかりとした味の「香る酒」)
入手難易度:★★★(上記のように販路もしっかりしていて、入手は割と容易か)