今週は何気に多忙だったので、またまた更新がご無沙汰になって
10月も既に一週間が経過。

とりあえず、一向に秋らしくならないんだが?(怒)
朝夕の涼しさは本格化してきたが、特に西日本の昼間の暑さ。
未だに最高気温30℃近くになるの、ホントにどうにかならんの…
夏に雨降り過ぎたのが影響してるのかしら…


と、愚痴はこの程度にして。
今回は秋の夜長のお供にふさわしい、ウイスキーを紹介。
名前もちょっと秋っぽい?かも。


玉兎 2021 Edition


以前紹介した、三郎丸 MOON  GROWを手掛ける、
富山県は砺波市、若鶴酒造さんの造るブレンデッドウイスキー。

前回紹介した、MOON GROWのミニボトルを買ったタイミングで
こちらも購入したのだが、記事に起こすのがだいぶ遅くなってしまった…
(夏場の日本酒ラッシュのおかげで)

ちなみにMOON GROWの回はこちらから。
http://kilchoman.blog.jp/archives/35796300.html


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「玉兎(ぎょくと)」とは、古代中国の伝承の中に登場する、
月に居るとされる兎のことらしい。
先に述べた通り、何とも名月が映える、秋らしい名前だと思いません?

国内の蒸留所の中でも、筆者が今一番注目している所ということで、
気を抜くとスコッチに気持ちが流されてしまいそうになりながらも購入w


三郎丸蒸留所モルトをキーモルトとして、幅広い年代から原酒を吟味し、
平均酒齢が10年以上となるようにブレンドされた一品。
スコッチのグレーンウイスキー、シェリー樽熟成モルトなどもブレンドされた、
多層な香味が特徴とのこと…


ならば早速試させて頂こう、ということでここからはレビューへ。


まずストレート。

香りは木を思わせるウッディさに、ナッティなニュアンスが目立つ、豊かな複雑系。
しかしスコッチで言うスペイサイドやハイランドモルトとはまた違う、
ジャパニーズウイスキー独特の香り。
栗のような甘さに、オレンジピールのようなほろ苦さ、
ニッキやシナモンを思わせるエキゾチックなスパイシーさがあり、
全体として奥深い。なるほど、多層な香味とはこのことか…

味の方もマロングラッセ、そしてオレンジマーマレードに近い、
甘味とフルーティーさ、ほろ苦さが初めに感じられる。
その後、次第にスモーキーさを伴う、スパイシーで刺激的な味へと変化していき、
余韻には香りでも感じられた、ニッキ、ジンジャーのフレーバーが。
46°という度数も手伝ってか、始めはスイートながら、
中盤からはパワフルな、飲み応え抜群のテイスト。


少量加水すると、栗の甘い香りに加え、
ビターチョコ、カカオのようなコク深い香りが目立つように。
加水することでスパイシーさは抑えられ、全体的に優しい印象の香りになる。

口当たりもまろやかになるが、飲み始めから甘味、フルーティー感、
そしてビリビリ来るような、ジンジャーを中心とした和風なスパイシーさが
渾然一体となる、複雑系の味わいが楽しめる。
こう書くと、一見味がとっ散らかっているようだが、
実際飲むと、何とも良くまとまっており、クセになる味わい。
飲んでいて面白味を感じられる、ジャパニーズらしい独特の味わいだ。


最後にロックで。

甘い香りは麦を強く感じさせるものへと変化。
加水時に感じられたカカオのようなコクに、少しだけだが抹茶のような
芳醇さも感じられ、この辺りもスコッチには出せないニュアンスと言えるか。

全体的に香りは控えめながら、味わいは濃厚で、舌へのアタックも強め。
スモーキーなテイスト、心地よいスパイシーさが主体となる味だが、
華やかさや、シロップのような甘さも感じられ、
全体として味に厚みがあり、飲み応えは抜群。
余韻には香りでも少し感じられた、抹茶やほうじ茶のような、
やや苦みを伴う独特の芳醇さもあり、スコッチに慣れた舌にはまた新鮮な感じ。


全体的に、ジャパニーズウイスキーでしか出せない味を生かしつつ、
飲み応えのある味わいに仕上げているな、という印象を受けた。
やはり三郎丸、いい仕事をする…

ブレンデッドウイスキーだが、重厚な味わいを楽しめるため、
国内大手の蒸留所の味わいに飽きたという人は、手を出してみても面白いのでは?


味:★★★★(ジャパニーズ特有の、しかもブレンデッドながら濃厚な味が特徴的)
入手難易度:★★★(メーカー小売りより少し高めだが、大手ネット通販で十分買える)