金曜更新したばっかりですが、年始から間が空いた分、
今日も積極的に更新していきますよっと。

前回、和歌山の戦利品紹介が中心になるかも…?
と言ったばかりですが、今回は今まで取っておいたネタのストック分から、
ウイスキーを紹介。
今年は日本酒だけでなく、こちらも積極的に紹介、って年初に言った所だしね~。


アイル オブ ジュラ プロフェシー


スコットランド南西部、スコッチの聖地であるアイラ島より、
全長わずか2kmの海峡を隔てた東の対岸にある、ジュラ島唯一の蒸留所で造られる、
シングルモルトウイスキー。

定番品は10年熟成もので、当ブログでは過去に、
「エリクサー」や「スーパースティション」という銘柄を紹介している。

エリクサー
http://kilchoman.blog.jp/archives/9231381.html
スーパースティション
http://kilchoman.blog.jp/archives/14501836.html


ジュラ蒸留所のモルトは、基本的に仕込みの際にピートを焚かないため、
ライトで穏やか、優しいテイストに仕上がるのが特徴。
しかし、今回紹介する「プロフェシー」は、アイラモルトと同じように、
しっかりピートを炊き込むため、同蒸留所の中でも、
かなりスモーキーかつピーティーな味になる、いわば異端児。
(筆者的にはポイント高いのであるが…)



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外観も、その異端児ぶりを象徴するかのように、
目玉のような、見ようによっては少し不気味なマークが特徴的。

「プロフェシー」とは英語で「予言」という意味であり、
昔ジュラ島に住んでいた、有名な女性の予言者に由来しているのだとか。
そう言われると、この目のようなマークも、
彼女の未来を見据える力強い目線をイメージしているように見える…?

実際にその味も、先に述べたようにピーティーで力強いものなので、
あながちそのイメージも間違いではないような…


という訳で、そろそろレビューの方に。
ここで筆者も1つ予言を。このウイスキー、筆者好みで非常に美味しい…
という事だけは言えそうだw


まずはストレート。

香りには、やはり強いスモーキーさ、そしてピーティーさが感じられる。
それだけでなく、麦の香ばしい甘さや、
プルーンのような甘酸っぱさも感じられる、リッチな香り。

口当たりは優しくまろやかで、栗やドライフルーツのような
穏やかな甘さがあるが、中盤からスイッチが入ったかのように、
ハードなスモーキー&ピーティーさが口の中を覆い尽くし、
最後まで存在感を残す。
46°と度数もやや高めで、ライト、スムーズなイメージのオリジナル品とは違い、
パワフルでパンチのある仕上がり。


続けて少量加水すると、
スモーキー・ピーティーな香りはやや抑えられ気味に。
代わりに潮っぽさ、そしてハーブをイメージさせるかのような
すっきりとした香りが中心に。

トップはストレートと同じく、まったりとした口当たりで、まろやかな甘さ。
しかし、やはり中盤以降のスモーキー&ピーティーさは控えめになり、
代わりに出てくるのは、香りと同じく、潮っぽさや薬草感といったテイスト。
ドライフルーツのような濃厚な甘さもしっかり感じられ、
味わいはストレートの時より複雑、かつコクのある味わいが楽しめる。


最後にロックで。

こちらもスモーキー・ピーティーさよりは、
紅茶のような香ばしさとコク、プルーンのような甘酸っぱさが際立つ、
芳醇で優しい香り。

まろやかな口当たりは変わらないが、氷を浮かべても味はしっかりハード。
折からのスモーキー&ピーティーさを中心に、潮味、フルーティーな甘味に酸味、
麦のコクが次々と顔を出す。
様々な味を感じる、複雑系のテイストながら、取っ散らかっているという印象はなく、
全体的にまとまりがあり、かつ飲み応えもしっかりで美味しい。


アイラモルトのような、パワフルなテイストを楽しむならストレート、
力強いテイストと共に、リッチな味わいも楽しみたいなら、
加水やロックで頂くのがお勧めか。
蒸留所の異端児ながら、幅の広い楽しみ方が出来る、懐の広い1本。


味:★★★★(スモーキーながら、それだけではない複雑系の魅力的な味わい)
入手難易度:★★★(通販サイトでも取り扱いは多めだが、価格はピンキリ。気を付けて購入を)