暑さが落ち着くどころか逆に本格化…
それに加え、梅雨にも入ってジメジメしてきた挙句に、
まだまだマスクが手放せない世情と、
なんかもう暑さに弱い人間を淘汰するのか?
くらいに思えてしまう昨今。
体力は元より、精神的にも参ってしまいそうな感じだが、
何とか美味しいお酒で、心の充足感を満たしていきたい…

そう、暑くなってきたという事は、今年もまた、
夏酒のシーズンがやってきたという事!と前向きに考える(笑)
早速1本手に入れたので、紹介していきたい。


天壽 純米吟醸 夏の隠し生酒


秋田県の南部、山形との県境に位置し、
名峰・鳥海山を南に臨む、由利本荘市・天寿酒造株式会社さんのお酒。
ちょうど1年ほど前に、この蔵元さんが手掛ける別銘柄である、
その名も「鳥海山」というお酒も当ブログで紹介している。
http://kilchoman.blog.jp/archives/29460932.html



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漆黒のシックなボトルに、アルファベット交じりのラベルが映える、
何とも近代的?前衛的?な外観が目を引く。

原料米は、長野県で開発され、東北地方でもよく栽培されている
「美山錦」を55%まで精米。
酵母には、ナデシコの花から取れた花酵母を使用しているという、
何ともこだわりの感じられる、お洒落な造りだ。


それでは早速、今年の夏酒レビュー第1弾、行ってみよう!


まずは冷酒から。

メロン、マスカット、青リンゴを感じさせる、爽快かつ優しい甘さに、
程良い酸味も感じられる、バランスの取れた良い香り。
軽やかで爽やかなニュアンスがまさに夏にぴったり!

一口飲むと、その口当たりも軽快、すっきりしたテイストで飲みやすい。
スイカを感じさせるみずみずしさ、甘さをふわっと感じた後に、
乳酸飲料のような、ややしっかり目の、しかし優しい酸味が良い後味を演出。
余韻も爽やか、ジューシーで、口や舌に負担をかけず心地よく香る。


続いて燗に。

ブドウ・リンゴを感じさせる、フルーティーで穏やかな酸の香り。
さっぱりとして軽快な印象だった冷酒に比べると、
かなり落ち着きが出る感じだ。

口当たりの軽快さは冷酒の時と変わらないが、
リンゴを思わせる、爽やかだがしっかりとした酸の風味が強く出るように。
冷酒と比べて、味が全体的にパワフルになる印象。
折からのジューシーさも相まって、爽快・軽いという夏酒の印象を、
良い意味で裏切るしっかり目の飲み応えだ。


暑い日に軽くさっぱり行きたいときは冷やして、
また濃い味の料理などと合わせるために、力強いテイストが欲しいときは
燗にする、というように、
夏酒と名乗りながらも、場合に応じて使い分けられる
柔軟さが魅力に感じられた。


味:★★★★(軽快な冷酒にしっかり目の燗、どちらも美味、お好みで)
入手難易度:★★★★(ネットにはまだある印象だが期間限定、お早めに)